うさぎ用のペレットには、成長期用、成うさぎ用、シニア用のほか、チモシーを主原料としたものや、グレインフリー・グルテンフリーを特徴としたものなど、さまざまな種類があります。
選択肢が多いため、
「どのペレットを選べばいいの?」
「一日にどのくらい与えればいい?」
「今のペレットが本当に合っているのか分からない」
と迷われる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
ペレットは、うさぎさんに必要な栄養を効率よく補えるフードです。一方で、与える量が多すぎると牧草を食べる量が減り、肥満やお腹の不調につながることがあります。
この記事では、うさぎ専門店の視点から、ペレットの役割や選び方、適切な与え方について分かりやすく解説します。
うさぎさんの食事の中心は牧草です
うさぎさんの食事で最も大切なのは、牧草や生のイネ科の草です。
健康なうさぎさんの食事構成は、一般的に次のようなバランスが目安とされています。
- 牧草や生の草:約85%
- 葉野菜:約10%
- ペレット:約5%
ただし、これは厳密に重さを量って配分するための割合ではなく、食事全体に占めるおおよそのイメージです。
大切なのは、牧草をいつでも自由に食べられるようにし、ペレットや野菜を与えすぎないことです。牧草を中心に、少量の葉野菜とペレットを組み合わせる食事が基本となります。
牧草に含まれる長い繊維は、うさぎさんの消化管の動きを支えるだけでなく、歯を適切にすり減らすためにも欠かせません。
ペレットにも繊維は含まれていますが、細かく加工されているため、牧草を食べるときと同じような長時間の咀嚼は期待できません。
パッケージに「主食」「総合栄養食」「コンプリートフード」などと記載されている商品であっても、牧草の代わりになるわけではありません。
ペレットは、牧草を中心とした食事を栄養面から補うものとして与えましょう。
うさぎ用ペレットを選ぶ6つのポイント
1.年齢や成長段階に合ったものを選ぶ
うさぎさんに必要なエネルギーや栄養は、年齢、体格、健康状態によって異なります。
成長期のうさぎさん
体をつくる成長期には、健康な成うさぎよりも多くのエネルギー、たんぱく質、カルシウムなどが必要になります。
そのため、アルファルファを使用したものなど、成長期に合わせて栄養価を調整したペレットが選ばれることがあります。
成長期用から成うさぎ用へ切り替える時期は、品種や成長の状態、商品によって異なります。パッケージに記載されている対象年齢や給与方法を確認しましょう。
健康な成うさぎさん
成長が落ち着いた健康な成うさぎには、チモシーなどのイネ科牧草を主原料とした、繊維質が多く、カロリーを抑えたペレットが一般的に選ばれます。
成長期向けの栄養価が高いペレットを成うさぎさんに多く与え続けると、肥満や栄養の取りすぎにつながる可能性があります。
シニア期のうさぎさん
年齢を重ねたからといって、必ずしもシニア用ペレットへ変更しなければならないわけではありません。
体重や健康状態に問題がなく、現在のペレットをよく食べている場合は、そのまま継続できることもあります。
一方で、体重が減ってきた、硬いものを食べにくそうにしている、持病があるといった場合には、年齢だけで判断せず、うさぎの診療に詳しい獣医師へ相談しましょう。シニア期は活動量が減って必要量が少なくなる場合もあれば、体重維持のために調整が必要になる場合もあります。
妊娠中、授乳中、低体重、療養中のうさぎさんも、健康な成うさぎさんとは必要な栄養や給与量が異なります。獣医師の指示がある場合は、そちらを優先してください。
2.粒の形がそろったペレットを選ぶ
日常的に与えるペレットには、すべての粒がほぼ同じ形をした商品がおすすめです。
穀物、種、乾燥フルーツ、色の付いた粒などが混ざったミックスタイプは、好きなものだけを選んで食べる「選り好み」が起こりやすくなります。
選り好みをすると、商品全体では栄養バランスが調整されていても、実際に食べた内容に偏りが生じます。
見た目の華やかさではなく、どの粒を食べても栄養に大きな差が出にくい、均一なペレットを選びましょう。
3.粗繊維の割合を確認する
健康な成うさぎ用のペレットを選ぶときは、成分表示の「粗繊維」を確認しましょう。
ひとつの選択基準として、粗繊維が20%前後、またはそれ以上含まれているものが挙げられます。
ただし、成分表示の数値だけでペレットの品質を判断することはできません。
使用されている原材料や繊維の種類、製造方法、ペレット以外に食べている牧草の量なども関係します。
「粗繊維の数字が最も高い商品が、必ず一番良い」ということではありません。対象年齢や健康状態に合っているかを含め、総合的に判断しましょう。
4.たんぱく質や脂質が高すぎないか確認する
健康な成うさぎ向けでは、粗たんぱく質が15%未満のものが、ひとつの選択基準とされています。
たんぱく質や脂質が多いペレットは、成長期、妊娠・授乳期、体重を増やす必要があるうさぎさんには適している場合があります。
一方で、健康な成うさぎさんに多く与えると、必要以上のエネルギーを摂取し、体重増加につながることがあります。
特に室内で暮らすうさぎさんは、運動量に対して摂取エネルギーが多くなりやすいため、商品の栄養成分だけでなく、実際に与える量にも注意しましょう。
5.主原料と栄養設計を確認する
健康な成うさぎ用のペレットでは、チモシーなどのイネ科牧草を主原料とした商品が多く販売されています。
ただし、原材料表示の最初に何が書かれているかだけで、商品の良し悪しを判断することはできません。
例えば、アルファルファが使用されている商品でも、配合量やほかの原材料との組み合わせによって、成うさぎ向けに栄養が調整されている場合があります。
また、「グレインフリー」「グルテンフリー」「無添加」といった表示も、それだけで、すべてのうさぎさんに適していることを意味するものではありません。
ビタミンやミネラルなど、必要な栄養を補う目的で配合されている成分もあります。
特定の原材料や表示だけに注目せず、次の項目を総合的に確認しましょう。
- 対象年齢
- 原材料
- 保証成分
- カロリー
- 一日の給与量
- うさぎさんの体重や健康状態
6.食べやすさと鮮度を確認する
ペレットの粒が大きすぎたり硬すぎたりすると、体の小さなうさぎさんや、歯に問題があるうさぎさんには食べにくいことがあります。
袋を開封したときには、次の点も確認しましょう。
- いつもと違うにおいがしないか
- 湿気ていないか
- 粉が極端に多くないか
- カビや変色がないか
- 賞味期限内であるか
開封後は袋の口をしっかり閉じ、直射日光、高温、多湿を避けて保管します。
大容量の商品は割安に感じられますが、食べ切るまでに時間がかかると、香りや風味が落ちやすくなります。
うさぎさんが無理なく食べ切れる容量を選ぶことも、ペレット選びの大切なポイントです。
ペレットは一日にどのくらい与える?
RWAFでは、健康な成うさぎさんのペレット量について、体重1kgあたり一日約15gをひとつの目安として紹介しています。
例えば、体重1.5kgの健康な成うさぎさんであれば、一日約22~23gです。
ただし、これはすべてのうさぎさんに当てはまる絶対的な量ではありません。
適切な量は、次の条件によって変わります。
- 年齢
- 品種や体格
- 運動量
- 避妊・去勢の有無
- 現在の体重と適正体重
- 牧草を食べる量
- ペレットのカロリー
- 病気や治療の有無
ペレットは商品によって粒の重さやカロリーが異なるため、まずはパッケージに記載された給与量を確認してください。
そのうえで、体重、便、牧草の摂取量、活動量を見ながら調整しましょう。
健康な成うさぎさんに対する給与量には複数の考え方がありますが、ペレットを与えすぎず、牧草を十分に食べられる状態を保つことが共通して重視されています。
太り気味のうさぎさんについては、現在の体重だけでなく、適正体重を基準に量を考える必要があります。
ただし、自己判断で急激にペレットを減らすのは避け、必要に応じて獣医師へ相談してください。
ペレットは重さを量って与えましょう
ペレットの量は、計量スプーンや見た目だけで判断せず、キッチンスケールで重さを量ることをおすすめします。
同じ大さじ1杯でも、粒の大きさや密度によって重さが異なるためです。
毎回量ることが難しい場合は、一日分をあらかじめ計量して容器に分けておくと、与えすぎを防ぎやすくなります。
食器が空になるたびに追加する方法では、一日にどのくらい食べたのか分かりにくくなります。
食欲の変化を確認するためにも、一日の量を決めて管理しましょう。
一日分を朝と夜に分けてもよい?
一日分のペレットは、朝と夜の2回に分けて与えると、食欲の変化を確認しやすくなります。
ただし、必ず2回に分けなければならないわけではありません。うさぎさんの生活リズムや健康状態に合わせて管理しましょう。
ペレットを食べ終えたあとも、牧草はいつでも自由に食べられるようにしてください。新鮮な飲み水も、24時間切らさないようにします。
ペレットを手から少しずつ与えたり、知育トイに入れたり、牧草の中に隠したりすると、食事を楽しみながら体や頭を使う機会にもなります。
ペレットを与えすぎるとどうなる?
ペレットを多く与えすぎると、お腹が満たされ、牧草を食べる量が減ることがあります。
牧草の摂取量が減ると、長い繊維を十分に取れなくなるだけでなく、歯をすり減らすための咀嚼時間も短くなります。
また、摂取カロリーが多くなることで、体重増加や肥満につながることがあります。
食べ切れなかった盲腸便がお尻の周りに付着する場合もあります。
次のような変化が見られる場合は、ペレットの量や食事全体を見直しましょう。
- 牧草をあまり食べない
- 体重が増え続けている
- 盲腸便の食べ残しが目立つ
- お尻の周りが汚れている
- 軟らかい便が増えた
ただし、牧草を食べない原因は、ペレットの与えすぎだけとは限りません。
歯の痛みや消化器の不調が隠れていることもあります。食欲が低下している、便が小さい・少ない、元気がないといった変化がある場合は、食事の調整だけで様子を見ず、早めに動物病院へ相談してください。
ペレットを変更するときは少しずつ
うさぎさんのペレットを変更するときは、現在のペレットに新しいペレットを少量ずつ混ぜ、時間をかけて切り替えます。
切り替え方の一例は次のとおりです。
- 現在のペレットに、新しいペレットを少量混ぜる
- 食欲や便に問題がなければ、数日ごとに新しいペレットの割合を増やす
- 最終的に新しいペレットだけに切り替える
切り替えに必要な期間には個体差があります。食欲や便の状態を確認しながら、急がず進めましょう。
切り替え中は、次の点を毎日確認してください。
- ペレットと牧草を食べているか
- 便の大きさや量に変化がないか
- 軟らかい便が出ていないか
- 元気や活動量に変化がないか
- 体重が急に減っていないか
体調を崩しているとき、手術の前後、引っ越しなどで生活環境が大きく変わった直後は、自己判断によるペレットの変更を避けた方がよい場合があります。
食べないからと甘いものを混ぜるのは避けましょう
新しいペレットを食べないからといって、ドライフルーツや甘いおやつを混ぜると、おやつだけを選んで食べることがあります。
また、食いつきを優先して香りや甘みの強い商品へ何度も変更すると、選り好みが強くなる可能性があります。
まずは現在のペレットに少量ずつ混ぜ、時間をかけて慣らしましょう。
ただし、これまで食べていたペレットを急に食べなくなった場合は、単なる好き嫌いと決めつけないことが大切です。
歯の痛みやお腹の不調により、ペレットを食べられなくなっている可能性があります。
牧草を含めて食事量が落ちている、便が少ない、元気がないといった場合は、早めにうさぎの診療に詳しい動物病院へ相談してください。
体重と便を定期的に確認しましょう
ペレットが合っているかどうかは、食いつきだけでは判断できません。
定期的に体重を量り、次の点を確認しましょう。
- 体重が増えすぎていないか
- 体重が減り続けていないか
- 便の大きさや量が安定しているか
- 牧草を十分に食べているか
- 盲腸便の食べ残しがないか
- 毛並みや活動量に変化がないか
「よく食べるペレット」が、必ずしもそのうさぎさんに最適とは限りません。
嗜好性だけでなく、牧草の摂取量、体重、便、活動量、健康状態を含めて判断することが大切です。
まとめ|牧草をしっかり食べられる量を考えましょう
うさぎさんのペレットを選ぶときは、次のポイントを確認しましょう。
- 年齢や健康状態に合っているか
- 粒の形がそろっているか
- 繊維質が十分に含まれているか
- たんぱく質や脂質が高すぎないか
- 食べやすい粒の大きさか
- 新鮮なうちに食べ切れる容量か
そして、最も大切なのは、ペレットだけでお腹がいっぱいにならないようにすることです。
健康な成うさぎさんでは、体重1kgあたり一日約15gを目安とする考え方がありますが、これはあくまで一例です。
商品の給与量、カロリー、うさぎさんの年齢、体重、運動量、牧草を食べる量などに合わせて調整してください。
ペレットの量を管理する目的は、単に食事量を減らすことではありません。
うさぎさんが牧草をしっかり食べながら、健康的な体重と安定した便の状態を維持できる食事バランスをつくることが大切です。
食欲が落ちた、便が明らかに少ない、体重が急に変化した、元気がないといった異常が見られる場合は、フードの変更だけで様子を見ず、早めに動物病院へ相談してください。
※本記事は、健康なうさぎさんの一般的な食事管理について解説したものです。成長期、妊娠・授乳中、療養中、低体重、肥満、持病がある場合や、療法食を使用している場合は、獣医師の指示を優先してください。

